彼が噂の眠り姫

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一条家が歩くと数々の家の者が道を開ける スッと横を通り過ぎれば無意識に息を止めてしまう程の圧がある 通り過ぎて暫くして我が子に五大家の話をする始末 これは長男、次男が入学してくる時も同じであった しかし今年は少し違う 彼らが息を止めるのは決して圧だけでない あり得ないものを目にしたから、謂わば驚きのあまり無意識に息を止めていたのだ 三男 湊を父 司が抱き抱え歩いているからだ 幾ら家族とはいえ、溺愛しているとしても外でそれを見せるというのは舐められる 威厳というのは上に立つものにとって必要 後ろを歩く匠、蓮は司に負けず劣らず堂々と存在感があるもののひたすら眠る湊 そのまま一条家は周りなど眼中に入れずホールに向かうのではなくこの学園の長 学園長の部屋へ向かった
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