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わたしは糸式友葉。大学ニ回生。
これから、エンタテイメント研究会のメンバー三人で同じ履修科目の授業を受けるため朝から待ち合わせをしているのだけど。
「ともちん。おまたせえ!」
遅い――と、お尻に火がついて全身火だるまになっても気がつかないほどのマイペースな愛を一喝する。
「ごめんよう。妹をなだめるのに時間とられちゃってえ」
何かあったのかな?
確かに、愛はマイペースにしては集合時間だけは守る。
そんな愛が遅刻するのだから仕方がない。
しかし――
「糸式さん。おまたせ。今日もスポーティなショートヘアが似合ってるね」
次にやってきたのは、いかにも寝起きでだるそうに煙草を吹かしているこの男。
「心はなんで遅れたの?」
「えーと。昨日変な夢を見てね」
「理由になってない」
わたしがため息をつくと、愛は心を茶化す。
「クロたん。お寝坊さんだあ」
そんなこんなで三人揃い大学を目指した。
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