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ふと、わたしはアパートと民家の間の路地から黒い影が落ちているのに気づく。
落し物かな。
だとしたら後で交番に届けなきゃ。
そして、わたしはそれに近づき手を伸ばす。
「ひ!」
それは、カラスの死体だった。
更に路地奥には数匹のカラスの死体がゴミ捨て場に群がっていた。
異様な光景。
もしかすると、この後とんでもない事件が起こる前触れなのではないか。
そんな予感がした。
「と、ともちん早く行こうよう!」
この惨状に気付いたのか、愛は硬直していたわたしに声をかける。
「気にするな。腹でも壊したんだろ」
心はそう言うと、わたしの手を引いて大学へ向かった。
その後、三人同じ履修科目を受け、各々別の授業に向う。
夕方。
心は用事があると言い残し先に帰ってしまったので、わたしと愛は少しだけエンタテイメント研究会の部室でゲームを楽しんだ後、家に帰ることにした。
わたしの嫌な予感は外れてくれたのだ。
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