問題編

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 ◆    黒い猫は不吉の象徴である。  勿論、カラスも。  カラスの死骸(しがい)を目の当たりにしてしまった翌日。  わたしは愛と一緒に大学へ向かった。  今日の授業は昼からだ。 「あれえ? クロたんはあ?」 「朝から授業受けてるよ。わたしと愛はほぼ同じ履修だけど心は違うから」 「むう」  まだ心の呼び方が気にいらないのかな。  ほんとに頑固なんだから。  でも、当分変えれそうにないかな。  愛は思い出したように言う。 「あ、そうだあ! お昼まだだよねえ? あたし沢山作りすぎたから三人一緒に食べようにゃん」    にゃん?  また唐突だけど、かわいいからいいかな。 「いいね。じゃあ着いたら早速ランチタイムにしよ」 「やたあ!」  こうして、授業を終えた心と共に屋上でお昼ご飯を食べることになった。 「いい風だねえ」  愛の肩で綺麗に切りそろえた髪がさらさらと揺れている。 「うまいねこの卵焼き」 心は愛のお弁当に舌鼓(したづつみ)を打っている。
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