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ラブレター
梨香。
僕は何度、
梨香の名前を呼んだだろうか…
あの日、
真っ直ぐ僕に向かってきた梨香。
正直あの時の僕は戸惑っていた…
キラキラと輝いている女性が
大きな目を潤せて僕を好きだと言う…
何かの冗談ではないだろうか…
聞こえる梨香が聞こえない僕と
あえて付き合うことはないと思った。
そう思った僕は、
臆病者の何者でもない。
遠ざけた僕は梨香を傷つけてしまった。
日が経つと同時に後悔だけが残った。
もう遅い…
梨香はもう二度と僕に
微笑んではくれないだろう…
しかし、梨香は違った。
それでも笑顔で僕に手を振ってくれた…
僕は初めて言葉を交わしたあの日から
きっと梨香に惹かれていたのだと思う…
それを認められなかったのは僕の弱さだ。
僕には眩しすぎる存在だった…
僕が気にするよりも前に、
梨香は聞こえない僕を理解してくれた。
僕の事をもっと知りたいと言う梨香の手を、
握ったあの日を一生忘れないだろう…
そして、
ここに綴る1ページ、1ページが、
僕から梨香へのラブレターになるように
大切に綴っていきたい。
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