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蒼龍様は…いつもそうだ。
まるで阿児のように我儘で、やたらと周囲に逆らいたがる。
昔はもっと聡明で、美しい少年だったのに。
そもそも、あのお方が変わってしまわれたのは、黎妃様、いや、レイラとかいう女のことがきっかけだった。
もともとは異国の、下賤の民でありながら、その美貌でもってまずは蒼龍様に取り入り、挙句に皇帝の第2王妃までのぼりつめた。
天使のように清らかな娘だと聞くが、一体どこまでが本当なのか。
だって、あれ以来、あの蒼龍様はことごとく権威に逆らう愚か者に変わってしまわれた。
あの女には、魔性がある。
小蘭とかいうのを蒼龍様が奪ったのも、きっと皇帝へのあてつけで、小蘭が黎妃と同郷で、似た髪と目の色を持っていたからに違いない。
私との結婚を進めないのも同じこと、私が、皇帝の定めた相手だからというだけで…
断じて、今日、あの田舎娘たちが言っていたように、蒼龍様が私を嫌っているからではない。
だって___
私達は、気心の知れた幼馴染なんだもの。
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