嫉妬 (大和田 優那の場合)

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放課後 指定された中庭に行くと、長い髪を風になびかせながら小柄な女の子が待っていた。 「大和田くん。突然呼び出してごめんなさい。来てくれてありがとう」 「うん」 「気づいているとは思うけど……大和田くんのことが好きです。私と付き合ってください」 なんて言えば…… ここには隼人も琉夏くんもいない。 僕一人で考えないといけないんだ。 彼女を傷つけないように僕の答えを言わないと… 「ありがとう。とても嬉しい、です。でも、僕には好きな人がいるんだ。だから、ごめんなさい」 「……そっか。正直に言ってくれてありがとう。時間取らせちゃってごめんね」 「ううん。大丈夫だよ」 彼女はふわりと笑ってパタパタと去って行った。
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