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「ぞんな、まざが…あの、がぎが…」
男の推理は、当たっていた。
自分達が「殺した」筈の少年が、笑みを浮かべて平然と立っていたのだ。
体の汚れはそのままだが、自分達が与えた傷も、へし折った四肢も、ナイフ男が刺した切創も、完全に治っているように見える。転がる死体に興奮しているのだろう、さっきまで垂れていた「アレ」も、ただでさえ太かったモノが、更に太くなっていた。どれもこれも、全裸にしたのでよく分かる。
「たっ…助けっ…」
まだ生きていたのか、四肢を斬られ、達磨にされた別の男が少年に助けを求める。
-びゅん。
少年は男を発見するや、立ったままチョップをするように手刀を振り下ろす。
すると…。
-ずばしゃぁぁぁぁぁっ!
男の体は縦に両断され、多量の血が噴き出した。左右に別れた体はそれぞれ別々の方へダランと傾き、断面が、今度はナイフ男の時よりもくっきり見えていた。
男は改めて、少年を恐れた。確かにあの時、殺した筈の子供が生きていたのだから。
そして、なにより…このガキは…、
「ぐぞう…よぐも、よぐもおでを、おでの仲間をぉっ…!」
男は残った左手だけで、少年をもう一度「殺す」為に、動かぬ肉片となってしまった、仲間の手から拳銃をもぎ取ろうと這い出す。
ようやくその場に辿り着き、手から拳銃をもぎ取ると、その銃口を少年に向ける。
「喰らいやがれっ、ごのっ…ごのヴぁげ物めぇぇぇぇぇぇぇっ‼」
引き金が引かれ、その銃口から、熱い銃弾が少年の体に一直線に飛び、その血に塗れた素肌に命中した。
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