一:練成者達の出逢い

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 しかし、その興味は直ぐに消え失せる。  ー…バッ!!  突然、ドアが物凄い勢いで開き、その場に、白装束に身を包んだ男が現れた。  その向こうでは、  『いやぁぁぁ…お願いだから許してぇ…』  『何でもするから…助けてよぉ…』  男と同じ、白装束の連中が全裸の子供達の腕を、足を引っ張り、何処かへと連れて行く。  子供達の中には自分の体をまさぐってアピールする者もいるが、連中は子供の体には興味が無いのか、まるで効果がない。  『…クソガキ共が』  男は、後ろで連行されていく子供達を小声でけなしながら、ツカツカと音を立てて男の子に近づき、その長く伸びた髪を掴む。  『時間だ、出ろ』  こうして男の子は、他の子供達共々白装束の連中によって檻から出されると、どこかに連れ出された。  ー…ちゃん!  少女は、男に腕を引っ張られて連れて行かれる、男の子を追ってその先に行く。  ―何…これ…。  少女は、その先にあった光景に目を疑った。  『オラオラァ、走れ走れぇっ!』  『なんだテメェ…止めていいとは一言も言ってねぇぞ!!』  そこでは、あの男の子を含めた全裸の少年少女たちが、まるで死後の世界、八大地獄で受けている罰の様な拷問を受けていたのだ。  子供たちは、男たちに純潔を奪われこそしなかったが、それぞれ剣山の上を走らされ、体をドライアイスで冷やされ、刃物で切り付けられ、球体の何かを打ち付けられ、何かしらの異物を口に入れられ、火に炙られ、猛犬に身体を噛みつかれ、中には指や手、足、耳、眼球、それと…とにかく、体の何処か一部を、文字通り「奪われた」者もいた。  『嫌だ、嫌だぁぁぁぁぁぁっ!』  『お家に帰りたいよぉ…、誰か助けてぇぇぇぇぇ…』  『見ないでっ…ぐすっ…こんなとこ見ないでぇ…』  連日、子供たちの苦痛に満ちた声が、部屋中に響き渡った。自殺を図る者も、逃げようとする者も、中にはいた。  しかし、  『ギャーギャーうるせぇんだよ、ガキ共ぉっ!!』  『テメエ等に帰る家なんかなぁ、もぉ無ぇんだよ…おらぁっ!!』  と、男達はそんな子供たちの悲痛な声を、聞き入れる事どころか、怒号を響かせながら彼らをなじる。更に悪いと足蹴にする等、情け容赦の無い暴行を加えた。  ー…うえっ…おうぇええええ…。  ー…ブリュッ、ブリブリブリ…プシャァァァァ…。  拷問に加え、暴行を受けた子供たちの多くは、早くここから抜け出したいといわんばかりにその場で嘔吐や失禁をし、その汚物や排泄物で床や拷問道具を汚した。中には男に便を投げつける子供もいた。  だが、対する男達は、  『このガキ…人の服を汚しやがって…許さねぇぞコラァ!』  尚も子供たちをなじり続け、子供の顔を汚物に押しつける。便を掴んで、子供の口に突っ込む大人もいた。そんな阿鼻叫喚の地獄絵図が、一日何時間も続いた。こうして男の子と子供たちは皆、心身を傷つけられた上で、また檻の中に閉じ込められる。
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