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日常茶飯事の拷問には及ばぬものの、檻の中での生活も地獄だった。
まず、男の子を含めた子供達の周りには、娯楽など存在しなかった。
男たちは、自分は子供をいたぶって『遊んで』いたが、『囚人』である子供達にはそんな物など一つも与えなかった。
『ほら食え、クソが』
次に、子供達は皆、ろくな物を食べることすら許されなかった。
一食に一度、埃塗れかつカビだらけの食パンが一切れ配給されるだけで、後は飲み水すら渡されない。稀にだが、何も配られない日もあった。
当然、子供達は栄養失調から徐々に痩せこけた。元々古くなっていた物を食べていたのもあり、腹も下した。嘔吐もした。
『よし…出た…!』
子供達の多くは、駄目だと分かっていても、飢えを凌ぐために自分達が出した便や下痢、吐しゃ物を口の中に運ぶ。何も出なかったときは、指で肛門をほじくり出し、指に便がついたらそれを舐め、男子に至っては、勃起したアレを手で掴み、尿道から尿が飛び出したらそれを直接、噴水や蛇口の水のように飲み、のどの渇きを潤す。女子は自分の乳房をきつく握って母乳を出そうとする者もいたが、駄目だと分かれば潔く諦めて別の手段をとる。入ってきたネズミや虫を捕まえて、踊り食いしたり、自分の髪をむしったり、眼球を抉って、それを食べる者もいれば、わざと切創を創り、流れ出た鮮血を啜り飲む者もいた。
男の子も例外ではなく、パン一切れだけでは足りず、入ってきたネズミやクモを捕まえては口に運び、その歯で生きたまま噛み千切って食べていた。
皆、吐きそうになりながらも、そうやって一日を生き延びていた。
だが結局、その方法は子供達にとって、ムダな足掻きでしか無かった。
ーズル、ズル…。
毎日と言うわけではないが、週に数名の子供がその幼い人生の幕を下ろす。冷たい、一筋の光も入らない冷たい檻の中、生まれたままの姿で。大人たちは、ニヤリと笑いながら裸の死体を引きずりながら檻から引っ張り出す。
「楽しみが出来た」
「はぁ、ようやくヤれる」
「じゃ、最初はどこにいれようか」
「冷めない内にシてやるかぁ」
…なんて言葉が、男達の口から聞こえたような気もする。
たまにだが、その中には体の一部を失くした子供もいたし、さっきまで牢にいた子供や、拷問を受けていた子供もいた。掃除もされずただ空いた檻には、また新しい子供が、やはり全裸で閉じ込められ、先に閉じ込められた子供たちと共に、苦しみに満ちた毎日を送る。
死してもなお、子供達に安息の時は、一切与えられなかった…。
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