一:練成者達の出逢い

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 ―許せない…こんな子に、あんな事をするなんて…!  男の子を苦しめる奴らに対する、怒りが、込み上がってくる。  男の子への悲しみも、押し寄せてくる。  心の中の溶岩が、今にも噴火しそうだ。  ―こんなのもう嫌だ…見てられない!  この地獄から、助けてあげたい。  救いに行きたい。  今すぐに。  この足で。  この手で。  この声で。  ―なのに、どうして、助けられないの?  傍に行きたくても、行けない。  伸ばした手も、空を切る。  したくても、出来ない。  声も、届かない。  どうしても。  どうやっても。  何もすることが出来ない。  何度やっても、彼を助けることは、叶わない。  ―…嫌だ…嫌だよ…  目の前にいる子供を助けられない絶望感と、そんな自分に対する嫌悪感。 そんな感情が、少女の心を満たした。  ズキッと、胸も痛んだ。  そうこう考えているうちに、男の子は白装束の連中とは違う、迷彩色の服を着た複数の大人達に連れていかれる。  ―…待って!  少女は男の子と、彼を連れて行く大人たちを追っていった。  置いて行かないで…ただそんな解釈では片付けられない感情が湧き上がる。届かないと分かっていても、少女は男の子に手を伸ばす。  その思いが通じたのか、少女は段々と男の子に接近していく。  届いて。  届いて欲しい。  もうすぐなんだ。  もうすぐ、あの子にたどり着ける。  ボクはただ、あの子を助けたい。  助けたいだけなんだ。  だから、待って。  待ってよ。  行かないで。  置いていかないで。  ボクを――――――。  だが映像は、暗転と共に幕を閉じる。男の子の生死を知ることが出来ないまま、悪夢は終わってしまった。
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