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「…うおっ!?」
慌てふためきながら道を駆ける二人の少女が、黒髪の少女の傍を通り過ぎる。
「…何だ?」
少女は、二人の方に振り向く。
「あ~、あの二人に悪い事したかなぁ…」
彼女は、手に持っているビニール袋を見つめて気まずい気持ちになった。
中に入っているのは、フルーツがふんだんに入っているクレープが三房。
「もう、バカ高いヤツ一品しか残って無いんだが…」
多分、着いたら絶望感に苛まれるんだろうなあ。
ああなった時の二人の顔が目に浮かぶ…、
ー…ちゃん!
「…っ!?」
少女の記憶がフラッシュバックする。
「…そうだ」
一方の少女は見覚えがある。
髪、顔、仕草、走り方…、
覚えている限りの情報が巡り巡り、それらが綿密に組み合わさっていく…。
「あの子、もしや…」
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