一:練成者達の出逢い

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 数分後。  「なばっちゃぁぁぁぁぁぁん!!」 ターミナル駅に着いた歌音と藍良。息も絶え絶えの二人の眼前に開業しているクレープ販売店。  どうやら、目的地にどうにか着いたようだ。  「ひっひっふぅー、ひっひっふぅー、どぉ~にか間に合ったぁ~」  「あいちゃん、息遣いが下品だよ」 無事着いて一安心の二人。  「いらっしゃぁーい、二人とも」   「奈橋」の名札を胸に付けている販売員の焦げ茶色の髪を持つ若い女性が、顔を出す。 エプロンで隠れているが、二人よりもフラットな体格だ。   「藍良、いつも別の店でバイトしてるのに、ウチにも来てくれてさ、アタイも嬉しいよ」  「まあ、その店のも好きだけど、クレープはここのが気に入ってるんだ、毎日でも来ちゃうよ」  ここは商売敵とも言える店だが、藍良には関係ない。  心からお気に入りの店なのだ。  歌音も、  「ほ~れ、ちっち~」  と、店の前にいる看板猫や看板犬達と戯れながら、  「はーい、ちょっとうんち片づけるよー」 これらの客寄せ動物や、様々な生物が店前でした排泄物を、店前に常備してあるホウキとチリトリで処分していた。  チリトリに入った便は、これまた店前に置いてあるゴミ箱に入れられる。  「あ~、あんがとね歌音、チビ達の片付けてくれて。本当助かってるわ。『店前でウンコするな!』、『片付けてくれた人は全品半額』って張り紙してるのに、どいつもこいつも言うこと聞かないからさぁ」  奈橋から感謝される歌音は、やはり店前に設置してある手洗い場で手を洗った後、傍にあるアルコール消毒液を適量出し、手に塗り込む。  「なばちゃんがこういうの苦手だって言ってたからね、お互い様だよ。ぼく達だって綺麗なお店でクレープ食べたいもん」  「だねぇ、いつか保健所に訴えられちゃうかもね、ここ。もしそうなったら、こっちも訴えてやるかも」  二人はその理由も知っていた。  奈橋は若い頃、色々とあったらしく、そのせいで排泄物、特に仕事以外で大便を見ると直ぐに吐いてしまう。  そのせいで、奈橋は排泄物を片付けられないのだ。  「この店が和式のしか無かったら、多分、ここで働くこと無かったかも…」  「あ~、うんち見えちゃうし、付いちゃうもんねぇ」  「なばっちゃんさぁ、ウチの歌音だからやってあげてんだよ。他の人は絶対にやってくれないんだからさ、人のはとにかく、せめて動物のフン位見れるようにしといてね」  「はーい」  「なばちゃん、ぼくやあいちゃんと違って、ウロコさんみたいにおっぱいペタンコなんだから、しっかりしなきゃダメだよ?」  「あ~い、重ね重ね気をつけまぁす」  談笑しあう客二人と店員一人。
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