月明り

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満月の月明りが私は好きだ。 決まって満月の夜はベランダから出て景色を見る。 そこにはいつもの夜と違う、柔らかな明るさが照らされている。 この高台の家から見える街並み。 いつもは綺麗に感じる沢山の街灯や家々の灯りが 満月の夜だけは、その人工的な明るさが違和感を感じる。 けれど、その違和感さえも月明りは包み込みこんでいる。 そして、 ふと昔の人達の気持ちを考える。 電気のない時代の人達はこの月明りをどう感じていたのかと。 江戸...... 室町...... 縄文......。 それこそ狩猟時代の我々の先祖達はどんな気持ちで この周期的に起きる満月の 月明りをどう感じていたのだろうかと。 私はきっと嬉しかったのだろうと決めてしまっている。 深く重く闇の夜も沢山あっただろう。 その中で、この柔らかく優しく包み込むような月明りは きっと多くの先祖達は安心し、喜びも感じていたのだろう。 そして今の私もそれを感じられる事がうれしいのだ。 何か沢山の人達と繋がれたような気がして。 満月の月明りが私は好きだ。
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