つきのうら終点(しゅうてん)

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 でも不思議(ふしぎ)と、それがなくなったことに(たい)して(かな)しさや(さび)しさというような感情(かんじょう)(いだ)くことはなかったの。なぜかと()うとね、小学校(しょうがっこう)入学(にゅうがく)する直前(ちょくぜん)()()しをするまでこの(つき)(うら)にいた(おさな)(わたし)(おも)()(なか)には、公営団地(こうえいだんち)部屋(へや)(なか)での(おも)()よりも、()(まえ)児童公園(じどうこうえん)のような(つき)(うら)のあちこちにある(ちい)さな公園(こうえん)、そして(つき)(うら)近隣公園(きんりんこうえん)などの広々(ひろびろ)とした公園(こうえん)でたくさん(あそ)んだ(おも)()のほうが印象的(いんしょうてき)(のこ)っていたからなんだ。  だからね。正直(しょうじき)、こんな(かん)じの公園(こうえん)がまたひとつ、()えてくれたことに(たい)して、感謝(かんしゃ)したいくらいなの。  うん、そうね。そう、もしもささやかな(ねが)いを、お(ほし)さまが(かな)えてくれるのなら。このお(なか)()()まれてきたら、この()といっしょにこの公園(こうえん)で、(あそ)んであげたい。もちろん、あなたもいっしょに、ね。ほんとうに、そうなってくれれば、どんなに。  ああ、電波(でんぱ)が、(わる)い、みたい。ちょっと、移動(いどう)、するね。(すこ)し、()っていて、ね。
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