1通の手紙

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僕の名前は『影山 佑真(かげやま ゆうま)』4年制の大学を卒業して、東京都内のIT系企業に勤める30歳の平凡な会社員だ。 週休2日で土曜日日曜日が休みの僕は、ある金曜日の夜仕事を終えて自宅に帰ると、1通の封書が届いていることに気が付いた。 封書の裏面に『再会の館』と書かれていて、東京都内の住所が記されていた。 部屋に入って早速封書を開けてみると、手書きではなくパソコンで作成した文章を印字した手紙のようだった。 手紙には次のように書かれていた。 「ご無沙汰しています。  天音です。  お元気ですか?」 この手紙を読んだ僕は、頭の中が混乱した。 この手紙の『天音(あまね)』は、今から10年前に天国に旅立った僕の恋人だからだ。 手紙は僕のことを心配する内容で、どう考えても天音が書いたものに間違いないといったものだった。 手紙の内容を読んだ僕は、10年前の出来事を思い出して涙が出て止まらなかった。 手紙は、もう1通同封されていて、ここには次のように書かれていた。 「お話ししたい点がございますので、ご都合がよろしいときに当館にお越しください。」 さっそく僕は、明日再会の館を訪問してみようと考えた。
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