1通の手紙

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自宅に帰った僕は、10年前の出来事を思い出していた。 僕は大学に入学して山岳部に入るために部室を訪問すると、そこに僕と同じく入部を希望する新入生の女子が見学に来ていた。 その女子が天音で、この日が天音と僕が初めて出会った日になった。 天音は笑顔がかわいくて、はきはきと元気に話をする女子という印象で、僕にとって天音は気になる存在になった。 山岳部の中で天音は元気で活発な女子で、皆からも好かれてムードメーカーのような存在になっていった。 山登りでは天音が元気に大きな声で周りの山岳部員に掛け声をかけると、みんな笑顔になって元気がでるといった雰囲気だった。 天音と僕は山岳部で一緒に行動するようになり、少しずつお互いに意識するようになっていった。 天音と一緒にいると僕は楽しくて、また何故か元気で笑顔になっている自分がいて、僕はいつも天音から元気をもらっていると感じていた。 そんな天音のことを僕は好きになっていて、大学2年生になったときに僕は思い切って告白した。 「天音、僕は天音のことが好きだよ!  だから僕と付き合ってほしい!」 僕は断られると思っていたが、以外にもあっさり、 「いいよ!」 と承諾してくれた。 天音と僕は山岳部の活動だけでなく、プライベートでも付き合うようになった。 休みの日は買い物したり、映画を観に行ったり、テーマパークに遊びに行ったりと、ありきたりなデートを楽しんだ。
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