闇の中でしか生きられない

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突然だが、私の自慢の彼氏を紹介したいと思う。 私の彼氏は優しい。 成績優秀、運動神経も良くて、何でも卒なくこなしてしまう。 周囲からも頼りにされることが多く、誰からも好かれるような――そんな人。 偶然同じ大学に入学して、同じ学部に入って、何となく話すことが増えて。 沢山の偶然が重なった結果、私は彼とお付き合いすることになった。 噂によると彼には今まで何人か彼女が居たらしいが、長続きしたことはないらしい。 付き合い始めてもう直ぐ3カ月が経つ。 桜も散り木々は青葉で満ち満ちて、もうそこまで夏の匂いが近付いている。 ――夏休みには一緒に海に行ったりお祭りに行ったりして、沢山の楽しい思い出が作れたらいいな。 そんなことを考えながら、私は月明りが照らす夜道を一人で歩いていた。 足が向かう先は、彼が一人暮らししているマンション。 ここ数日体調を崩して大学を休んでいる彼が心配になった私は、既に何度か足を運んだことのある彼のマンションへお見舞いに行くことにしたのだ。 今日はバイトがあったので時間も遅くなってしまったけれど、時刻は8時を回った所。 流石にまだ起きているだろう。もし寝ているようならまた明日にでも出直せばいい。
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