元王子。宦官になる。

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いや、バレたと決まったわけじゃない。 そもそも、シャーロマはヘマをするような人間じゃないんだ。仲間を信じろ 「なに、百面相をしているのかい?」 「!?!?」 「ほら、まただ。面白い顔をするな」 ふふふっと笑う、この男。 これが俺の主人で1番厄介な人物。 王 朱成(ワン チュソン) この国の第二王子で王位継承権を放棄した男。 変人と名高い、コイツは俺がいま1番注意をしなければならない人物だ。 「またやったのか?手に傷が着いてる。見ていて痛々しい」 「王子に心配されるなど恐れ多い。大変、うれしいございます。」 「そんなお世辞は要らぬ。私は心配をしているのだ。やったのか?」 なぜこの男は執拗に聞いてくるのだろうか。 手にキズがというのは、自傷行為に走った訳ではなく。 俺がテールとライラに餌をあげる時に付いてきた傷だ。これは1種の愛情表現と言っても聞き入れてくれない。 テールとライラは俺の親友で俺がいないと生きていけない。 「やってないですよ…」 「これ。嘘をついてはいけぬぞ。」 ……テールとライラは俺のペットで親友だ。「ヒル」という生物で血を吸って生きていく。 普通は動物の血でも魚の血でも「血」ならなんでもいいのだが。 俺は自分の血を吸わせている。血を吸われる時、チクッとする痛みとそのあとの鈍痛が病みつきになってしまったのだ。 さいしょは「気持ち悪い生き物だな。死ねぇ」と見つけた瞬間成敗していたのに今では愛玩ペットまで登り詰めたコイツらはすごいと思う。 しかも、豆知識だが。 こいつらには性別がない。 雄雌同体といって…まあ、字面でもわかる通り両性の生き物と俺は思っている。 お互いの性器を擦り付け2匹とも卵を産むのだ。 この話を聞くと大抵のやつは「ううぇ」と顔を顰めるのだがある種の人間はちょっと興奮して聞き入ってくれる。ヒルに対して興味を持ってもらえればこちらとしても嬉しい。 まぁ、ヒルにはものすごく魅力があるということを分かってくれたはずだ。 「や、やりましたが。いつも2匹同時に血を吸わせるのですが今回は一匹づつ餌を与えました。」 「……どうせお前は2匹同時にするより、一匹づつの方が2回痛みをあじわえて良いと悦に浸ったのだろ?」 この王子。どうにも感がいい。 何も言えない。 「これは愛情表現の1種なんですよ!!!1回血を与えたら分かります。ハマります。」 「愛情表現とな?」 「そうです。こいつには俺しかいない。美味しいご飯をあげるのも俺だけ。そう思うと興奮してきませんか?」 「これ。下世話な話が過ぎるぞ。…そうか。お前はそういうのが好みなのか?」 「いや、分かりませんが。もしかしたらテールとライラ限定なのかも知れませんね。」 「…チッ…」 「?」 「日が沈んできた。中に入ろう」 「そうですね。日の恵みを体に与えすぎると民の暮らしが悪くなりますからね。」 そう言って、王子と俺は宮の中に入った。 ちなみにこの国では「日の恵み」を貰いすぎると天罰が下るという言い伝えがある。 分からなくもない気がする。 ✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - - 王子の名前が変なら教えてください。 作者はwikiで調べた「これいいな」という字を適当に組み合わせて名前を作っております。 また、「ここはおかしいんじゃない?」という所もぜひ教えてください。
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