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しかもこいつ…王子が厄介で。
数年前に1度、俺の住んでいた国の城に外交で来たことがあるそうで。
そして俺はこいつ直々のご指名を頂いて。
お世話係になった。
俺は幽閉されていてお外に出た記憶はなく、あったことはなさそう…?だが。
これはどう考えてもバレてる!!!!
極めつけは
「ここから西へ行ったらある大国の噂にお前は容姿が似ているな」
と…
俺は殺されるのか…?
それとも人質か?
一応、王子だもんな。それも有り得る。
容姿って言っても赤眼なだけ。
髪だって違う。
俺は肖像画を書いてもらったことがない。
画家に描かせた王族の肖像画にも俺はいない。
「家族」…てなんだろう。
あぁ、シャーロマに会いたい。
元気にしてるかな?
俺の脱出を手助けしてくれた使用人。もとい、親友だ。
真っ赤な瞳にも真っ白なこの髪にも物怖じせず、ほかの使用人は怖がっていたのにシャーロマだけは違った。
身の回りの世話はシャーロマだけがしてくれた。
悪い言い方だと、押し付けられていた。
それでも嫌な顔せず「一緒に居られる時間が長くて嬉しいんです。好きな人と一緒に居られる時間は多い方がいいでしょ?」とちょっとむず痒くなるような、でも嬉しいことを何度も言ってくれた。
俺の脱出の手引きをしたってバレて折檻されてないだろうか?
最悪、死刑にされてないだろうか?
って!!!
シャーロマも大事だが今は自分のことを考えろ!!
俺の名前は偽名だし、面接も偽の書類で通った。
書類はシャーロマが作ってくれたもので他にも住民票などなど戸籍がバレないようにやってくれたはずだ。
なぜバレた!?
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