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そこにいるだけで
苦い顔をして歌う人がいる。
笑って歌う人がいる。
同じことをしているのに、その表情は様々だ。
僕はどんな顔をしていればいいのだろうか。どんな顔をすれば、許されるのだろうか。
いつも、いつも思う。
主張をしたいわけではない。
誇張をしたいわけではない。
ただ自然に振る舞いたいだけ。
そこに僕がいることが当然だとは思わない。
僕はいつも端の方で体を小さくしている。
僕は僕がリラックスできる場所が欲しい。
ただそれだけ。
縮こまっていても、走り回っていても、そこに僕が存在していることが許されるのなら、なんて素晴らしいことなのだろう。
僕は彼のように頭がいいわけではない。
僕は彼女のように要領がいいわけではない。
僕は何を作ることもできないし、何を処理することもできない。
ただそこにいることを許されるのなら、それはとても幸福なことだと思う。
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