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授業時間は、率直に言って、つまらない。 先生も、指された人も、何を言ってるのか、まったくわからない。 あと、みんな、声が大きい。 教科書と参考書を読んでいるのは、わりと好きだけど、なんか授業も受ける必要があるらしい。 かなり、善行ポイントが貯まってる気分。 来世、何になれるだろう。 ん? 腕を掴まれている。 茨木だ。 別に、触らなくても、普通に呼んでくれたらわかるんだけどな。 触られるのは、好きではない。 うん。だから、わかったから。 用件は、何だろうか。 「指されてる。」 誰が、何に、をつけて話すことはできないのだろうか。 小学校の国語の教科書に、そんなページあったな。 苦手だったのかな、国語。 「先生、キレてるよ。」 うん。それならばわかる。 先生が、キレている、ということだ。 あと、何に、があれば、尚良し。 「木沢さん、ちゃんと聞いていますか?」 今度は、遊佐先生から質問だ。 さすがは先生。 比較的、答えやすい質問。 「聞いていませんでした。」 先生、顔、ゆがんでる。 望んでいたクオリティの回答ではなかっただろうか。 「あなたは、何のために、学校に来ているのですか?」 質問、変わった。 じゃあ、さっきのは、あれでもう、いいのかな。 「はい。僕も、先ほどから、ずっと、それについて考えています。」 さらに、顔、ゆがんだ。 体調悪いんだったら、無理はしない方がいい。
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