妖狩り

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 妖が町に現れて人が(さら)われた。  と言う情報が出るとすぐに動き出す集団が居た。  その名も 『妖狩り・侃玄衆(かんげんしゅう)』  普段は将軍に仕え、その警護や相手国の諜報活動を行ったりしている対人間の『忍』とは別に  正体不明の『妖』を狩る事を目的とする忍達で構成された、将軍直下の裏部隊。  普段はお城の臨む城下町で町人に溶け込み生活をしているのだが、妖の噂を聞いたり将軍直々の知らせが来た瞬間、城の内部奥深くにある、将軍と侃玄衆の面々しか知らない一室に集まる。  この日の夜も将軍からの知らせを受け、侃玄衆のメンバーはこの一室に集合していた。  風など入り込む余地が無い程密閉されたこの部屋だが、数本の蝋燭に灯った小さな炎が軽く揺れだす 「侃玄衆、(いち)()…こちらに」 「侃玄衆、()()…ここにおります」 「侃玄衆、(さん)()…」 「侃玄衆、()()…既に」 「侃玄衆、()()…見参」 「侃玄衆、(ろく)()…こちらです」 「侃玄衆、(しち)()…ここに」 「集まったか侃玄衆、流石に早いな」 「我らは影、どこにもいらずどこにでも居る」  将軍の言葉にすかさず一ノ眼が答えた。 「ふむ…心強い。実は今日、そなた達に集まってもらったのは…「妖ですね?」  将軍はその言葉に静かに首を縦に振った。 「既に六ノ眼に調べさせております。一昨日の夜の出来事…妖の仕業で間違いないかと」  将軍の首がピクッと動く 「最近、妖の出没が多くなって来ましたね…」 「あぁ…何かの前触れで無ければ良いのだが……で、今回は誰が動くのだ?」 「私奴が…」
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