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「…え? え? これは一体…何故……?」
突然の人間達の強襲に驚き、未だに事態を呑み込めていない妖達。
ソレを好機とみなし更に追撃を加える為、侃玄衆のメンバーは百妖夜行に襲いかかる
と同時に
「待つのじゃぁ!!!!」
突如、妖達が形成するその列の最後尾の方角から激しく震える叫び声が聞こえた。その咆哮は侃玄衆を含むその場にいる全員の動きを止めた。
侃玄衆達がその大きな叫び声がした方向を見るとそこには妖艶な雰囲気を醸し出しながら恐ろしい妖力を放つ、正に『絶世』と言う言葉が見事に当てはまる女性が立っていた。
嘘だろ…? このすさまじい妖力……
これが百妖夜行の主か…?
イヤ…それよりも……この美しさ……
その妖力を越える程の余りの美しい外見に目が眩み、侃玄衆達は自身の意識とは裏腹に動きを止めてしまったのだが、唯一人
殺戮戦闘狂の異名を持つ、三ノ眼だけはその美しい眩さに意識を奪われる事は無く、腕から生える『龍刃』を百妖夜行の主であろうその女性に届かせるべく向かっていく。
しかし
「だからぁ…待つのじゃってぇ!!!!!」
「ッ!?」
ヒステリックとも取れるその癇癪的な咆哮に、流石の三ノ眼の術も身体が硬直し、術の発動も止まってしまった。
…何だコイツ? 俺の『動き』を止めるだけでなく…俺の『術の発動』さえ止めてしまうなんて…
三ノ眼は、恐ろしい妖力を放ちながら不思議と殺気を感じさせない『主』を汗を垂らしながら見据えた。
「…してじゃ」
何かを呟きながら主は身体を震わせ始めた。
…?
「どうして500年前も今回も…お主らは妾の邪魔をするのじゃぁ!!」
「それはオマエ等が都を襲うか「妾はただ…将軍様をお慕い申しておるだけなのにぃ~!」
そして大声を上げて
主は泣き出した。
「「「「「「「……え?」」」」」」」
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