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山本君から何度か電話やメールが着た。恐らく原稿料のことだろう。友人とお金のやり取りは、したくないので全て無視した。作品を商業雑誌に載せれくれて、ありがとう。
二週間ほどしてマンガ雑誌の発売日になり、仕事帰りに立ち寄った行きつけの書店で買い求める。
書店近くのスーパーに行く。フードコートで、壁を背にした席に陣取る。トレーをカバー代わりにして目を通す。
私が原作の作品はかなり改変されていた。『夜の公園で出会ったサラリーマンと女子×校生』は、親戚設定が、完全になくなっていた。しかも登場人物は全て18歳以上に変更だ。かなり過激になっている。
『コタロウと夜の公園で』は、コタロウは犬でなく、完全な人間になっていた。しかも、夜の公園で、過激なデートをしている。舐められたりするのは、体の、そのー、デリケートな水着でをするような場所だ。
あの山本君の電話やメールは、原案や改変をするの、伝えるためだったのだろうか。
そう思いながら、明るい道を選ぶようにしながら、家路に就く。帰宅して嫁さんにマンガ雑誌を見せると、あからさまに、嫌そうな顔をしていた。
「これ、原作者が、わ、私の名前じゃない」
「うん」
「原作者が、私? 佐藤小夜子ってどういう意味」
事情が長くなりそうだ。しかも、身を退かれる視線に、気圧され言いづらい。
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