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プロローグ
───仮想世界に存在する一つの町。中世的装いが続く町の、
その路地裏。女袴姿の女性にその身を隠すと言う、情けない
姿で悩む青年が“ポツリ”と呟く。
「ふむ~? あ、モンスターはあっこの猿か。」
彼の見遣る先には、猿にも似た魔物の姿。更に。
「もう逃さない!」
魔物を追って来たらしきフロンド髪女性の姿も。女性はオクト
バーフェスト等でよく見られる、民族衣装に身を包んでいる。
彼女は声を上げては虚空から槍を取り出し、両手でそれを振るっ
ては、両者戦闘へ突入。
槍を手にした女性は勇敢にも魔物へと挑み攻撃を繰り出すも、速
さの足り無い突きはあっさりと躱され。魔物からの反撃を受けて
はその体が宙を飛び、大通りの床へと転がり倒れ伏す事に。
彼女は直ぐに立ち上がろうとする、が。
『ギギ!』
「っ!?」
その背を今戦っていた魔物とは違う個体が踏み付けた。
辺りを見渡せば、何処から現れたのか同じ猿型の魔物が数体姿を
現し、背を踏み付けられる彼女は窮地へと立たされる事に。
辺りには魔物に怯える住人達の悲鳴が木霊す。
「う~ん。」
大通りのそんな様子を、路地裏から覗き見ていた青年が一つ
唸る。彼は頭を傾げ何やら考え倦ねている様子。大通りでは
倒れる女性へ、魔物のによるトドメが刺されようとしている。
気が付けば。唸っていた青年は剣を片手に物陰から走り出し、
大通りへ向けて駆け出していた───
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