今でも「ヘッセ」を読んでいる

1/3
前へ
/49ページ
次へ

今でも「ヘッセ」を読んでいる

41512e6b-7949-4556-b0df-2d3601e96662 大学時代、ある女の子とつきあい始めた頃のことだ。 文芸部のサークルに属していた僕は、部員の紹介で彼女と出会った。 彼女は同じ大学の文学部だった。 ある日のこと、静かな図書館の閲覧コーナーで、 彼女に、小説家で誰が好きなのか?と尋ねた。 文芸部に所属して約半年、だいたいの作家名は知っているはずだった。 いわゆる名作は全て読んでいる、そんなプライドもあった。 だが、彼女は間を開けず、 「ヘルマン・ヘッセ、アルベール・カミュ、ウィリアム・フォークナー・・・」 と海外作家の名前を次々と並べた。
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70人が本棚に入れています
本棚に追加