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今でも「ヘッセ」を読んでいる
大学時代、ある女の子とつきあい始めた頃のことだ。
文芸部のサークルに属していた僕は、部員の紹介で彼女と出会った。
彼女は同じ大学の文学部だった。
ある日のこと、静かな図書館の閲覧コーナーで、
彼女に、小説家で誰が好きなのか?と尋ねた。
文芸部に所属して約半年、だいたいの作家名は知っているはずだった。
いわゆる名作は全て読んでいる、そんなプライドもあった。
だが、彼女は間を開けず、
「ヘルマン・ヘッセ、アルベール・カミュ、ウィリアム・フォークナー・・・」
と海外作家の名前を次々と並べた。
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