「寄り道」 ~ 白い家

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「寄り道」 ~ 白い家

4cd8b320-9a7c-4e51-9e02-a4f6670546db 「寄り道」~ 白い家 長い放浪の末に辿り着いた場所は、白い家だった。 ああ、どうして僕はここに立ち止まったのだろう。 こんな家は、家族住まいでなく、 きっと君のような人が、一人で僕を待っているのだと思った。 長い時間、僕が来るのだけを待っている。 そんな君が住む家だ。 僕が入ると、 「遅かったわね、寄り道してたの?」と君は尋ねる。 「ああ、ずいぶんと長い寄り道だった」と僕は答える。 何十年にもわたる寄り道だった。 僕に何があったのか、君は尋ねもせず湯を沸かし始める。 テーブルに仲良く配されたティーカップを眺めながら、 さて、どこから話そうか?と考える。 長かった僕の寄り道の話に、 君は笑顔で耳を傾ける。 そして、 「結局は、君の所に戻って来たよ」 最後にそう言う。 そんな素敵な時間を過ごすこと・・・ そんな想いを抱えながら、 僕は白い家の前を通り過ぎていった。 (了) df6336d0-d28f-46c0-9ccc-ad83c453590d
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