気持ちを海へ

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気持ちを海へ

“私へ 私は私が嫌い 素直に喜べたらどんなに楽だろうか 素直に泣けたらどんなに楽か 素直に気持ちを伝えたらどんなに楽か そんな私が大嫌い つぼみより” 私は素直に喜んだり泣けたり気持ちを伝える事ができないからいつも後悔する だから今日は文を手紙に今の気持ち全てを気持ち楽になるくらい文にして書いた 書いたら少し楽になれた気がする その手紙を封筒には入れず綺麗な小瓶に丸めて入れた 家に出て海辺へ行った 潮風が吹きしょっぱい香りと優しい風に私の気持ちも優しくなれた気がした 小瓶を青い海へ流した 誰にも読まれたりしなず、きっと遠い果てまで流れていくんだろなと思った ーーー1週間後ーーー 私は星空の下、再び海辺に向かった そして私は誰も居ないだろうと思った海辺に向かって 『私は私が大ッ嫌い!』 思い切り叫んだ 「もしかして、、、つぼみさん?」 『え……』 つぼみって名前はあの時に私が書いたニックネーム…誰も知る筈がない名前… 振り向くと高身長で髪が茶髪にツンツンヘアの爽やか男性が立っていた 「振り向いて反応したって事はやっぱ小瓶のあの手紙……君だったんだね」 その人はにっこり優しく微笑みながらそう告げた 『……そうですけど…笑いにきたんですか?あんな馬鹿な文を見て』 きっと笑いにきたんだろと思った けど違った、その男性は小さく首を左右に振って否定した 「違うよ、ただ凄いなと思った」 『すごい?何処が…ですか?』 「思いを文に書ける事だよ、君は君が嫌いだ…素直じゃないからって書いたよね」 いざ目の前でそう言われると恥ずかしい 『…そうですが』 「素直だと思う、だって手紙に文にして気持ちを思いを素直に書いてるじゃん、だから君は素直だよ、中には文にも素直に書けない子だって居るし」 『ッ…お世辞ですか…?よく初対面にそんな…』 「お世辞だったら態々口に出して言ったりしない、俺は本当に心の底から思ったから言ったつもり」 男性はそう告げると優しく笑みを零した その言葉に本当に嘘も偽りも無いだろうと私は思った 『…私は…けど私が嫌い…性格も全部…』 「皆誰だって自分自身の何処か…嫌いな場所はあると思う.だからそんな思い詰める事は無いよ」  『ッ……優しいですね』 「あはは…俺も自分が嫌いだからさ」 『え……』 私はその人の発言に驚いた、こんな優しいのに何で自分を嫌う必要があるだろうか 「先日まで彼女が居て…誰にも優しい俺に彼女を嫉妬させていたみたいでさ…傷付けた,だからそんな俺が嫌い…だから文にして書いて海に流そうとしたら君の小瓶を見つけて読んだ、俺だけじゃ無いだなって分かったら…気が楽になった」 その言葉に私は今まで変な事でくよくよしてたな…こういう人でも自分自身を嫌ってる人が居るだなと分かると自然に笑みが溢れた 『なに…それ…』
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