100年に一度のクリスマス伝説

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5a1fd45d-87e6-45e1-b8f9-e9e40948c7f1 「ううん、大丈夫。どうかした?」 「今年のクリスマス企画、もう聞いた?」 「ううん、聞いてないけど」 やっぱり貴方じゃなかった。 そんなの初めから分かってた。 何度、それを期待してその度に落胆したことか。 あれから10年も経つのだから… 貴方がわたしの電話番号を覚えてるわけがないのに。 それでも無意味な期待だと分かってはいても 期待する女心。 ーークリスマス企画? クリスマスという言葉はわたしにとっては きっと誰より心が躍る言葉。 それはーーーーー わたしの誕生日だということもあるけど… それ以上に… わたしが生まれ育った島、栗洲島(くりすとう)には 太古の昔からこんな言い伝えがある。 『この島には100年に一度のクリスマスの夜 雪が降るという。そしてその日に結ばれた二人は永遠に幸せになれる』 と。 その100年目が今年だった。
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