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あなたの影
結局、寝ついたのは朝の5時過ぎ。
そろそろ空も白み始める頃。
いつの間にか眠っていた。
目が覚めたのはお昼少し前。
まだ夕べのワインが残ってて頭が痛い。
目覚めの濃いコーヒーを淹れると
その薫りがまたわたしを
どこか別の世界に持ち去ろうとする。
また鳴り出す電話のベル。
ーーまた雫?
スマホを見ると電話の主は『薫』。
「ヤッホー、未来!久しぶり」
「あ、薫…久しぶりだね。一年ぶり?」
「えー!もうそんななる?」
相変わらず薫は元気が良い、というか声が大きい。受話器を耳から離しても十分会話ができるほど。
「どうかした?」
「別にそういう訳でもないけど…今年のクリスマス、島に帰って来るよね?托が気にしてるからさ」
また貴方の顔が浮かぶ。
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