あなたの影

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あなたの影

bc215012-7285-4508-9f59-ed9c22e0bda3 結局、寝ついたのは朝の5時過ぎ。 そろそろ空も白み始める頃。 いつの間にか眠っていた。 目が覚めたのはお昼少し前。 まだ夕べのワインが残ってて頭が痛い。 目覚めの濃いコーヒーを淹れると その薫りがまたわたしを どこか別の世界に持ち去ろうとする。 また鳴り出す電話のベル。 ーーまた雫? スマホを見ると電話の主は『薫』。 「ヤッホー、未来!久しぶり」 「あ、薫…久しぶりだね。一年ぶり?」 「えー!もうそんななる?」 相変わらず薫は元気が良い、というか声が大きい。受話器を耳から離しても十分会話ができるほど。 「どうかした?」 「別にそういう訳でもないけど…今年のクリスマス、島に帰って来るよね?托が気にしてるからさ」 また貴方の顔が浮かぶ。
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