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あれはーーーー。
10年前のクリスマスの日。
学校が終わり、その日は家とは逆の港の方を回って帰っていた。どうしてそうしたのかは分からない。
その日はとにかくそんな気分だった。
天気も良く久しぶりの快晴だったから
なのかも知れない。
わたしは通称『爆裂坂』ー
そこは下る時はジェットコースターみたいで
物凄く気持ちいいけど
登りは心臓が破れてしまう程の急な坂ーー
を一気に駆け下りた。
この瞬間は他の何物にも代え難かった。
ーーシューっ!!!!
坂を下った所にある、幼い頃から
よく遊びに来ていた港の前の駄菓子屋に
何気なく寄った。
「おばちゃーん!こんにちは!…」
「…」
「いないのー!?」
「ラムネもらうからねーっ!」
と今にも壊れそうなかなり年代物の
冷蔵庫のようなケースに手を伸ばすと
奥から声が聞こえた。
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