悪夢の夜に貴方にさよならする

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cb6312f4-0b85-4380-8a4a-948b7eedfa80 企画部の部屋に入ると 5つ上の黒木亜紀先輩がわたしを手招きした。 先輩はわたしの憧れ。 テキパキ仕事もこなし きちんと恋愛して結婚もして 優しい旦那さんとの間には 可愛い子供も二人いる。 幸せな女性を絵に描いたようだった。 「冬ちゃん、こっち」 先輩は『未来』ではなく『冬ちゃん』と 苗字で呼ぶ。 切れ長の少しだけ垂れた優しい目でわたしを見ると口元から溢れる八重歯も好きだった。 「冬ちゃんは、とりあえずアタシの隣の席使って」 「ありがとうございます」 「えーっ、チーフ、そりゃあないっしょ!」 またそこにチャチャ入れてくる男を睨む。 「どうして?」 「だって未来先輩は俺がスカウトしたんすから 俺の隣でしょ?普通」 「ごちゃごちゃ言わないで席着いて!」 ピシッと先輩が言ってくれてホッとした。 それを遠くから見てウインクする雫。
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