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イタズラでそんな事をするのかと怒ったりもしたけれど、どうやら何か訳があるみたいでハヤトが何を考えてるのか分からない。
ユウレイがあまり長くこの世に居続けるのはよくないので、早めに成仏をしたほうがハヤトのためだとも思っている。
「はぁー、」
本日何度目かの溜息を吐いたところで、右手からスッと抜けてゆく感触がして急いで手元見れば、持っていたはずの爽やかな水色の封筒は消えていて。
「またヤラレタ!!」
またも思わず叫んでしまえば、前の席で帰ろうとしていたハナちゃんがビクッと肩を上げた。
ハヤトにラブレターを盗まれるのはこれで4回目。逃げ足の速いハヤトは私に向けてベーッと舌を出し、騒めくクラスメイトたちをすり抜けて教室から出て行ってしまう。
そんな奴の姿に、どうしたものかと机に肘をついて頭を抱えた。
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