3人が本棚に入れています
本棚に追加
ごくり。
十分口腔内で堪能した肉を飲み込む。
耳と目で堪能し、鼻で堪能し、歯と舌で堪能した後は喉で堪能する。
少しばかりの余韻が私を支配する。
余韻に浸るのはいいが、まだ目の前には肉がある。
そう。私はまだ一切れしか食べていないのだから。
堰を切ったかのように私は、ナイフとフォークを使い、肉にかぶりつく。
次から次へと肉を口へ運ぶ。
そして、最後の一切れの喉越しを楽しんだ後、また余韻が支配する。
「ふう。うまかった……」
この場には私一人しか居ないのに、つい口に出てしまった。
こんなにも旨い物を食べた時には、つい感謝をしたくなる。
最初のコメントを投稿しよう!