夢をみた話をする男

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 ただ――ただね。  その夢を、十三回見たその日に思ったのだよ。  あの親子の、私を食べる時のとてもおいしそうなあの表情。  そんなにも私はおいしかったのかと。  だから――だからね。  私も私が、味わいたくなったんだ。  ああ。  今も舌に記憶されている。  あの強烈な旨味を。  だから今回だけ。今回だけ。  最後にたった一度だけ。  私は食に感謝しよう。  素晴らしかった。  素腹しかった。  おい死かった。                                                          お死まい  
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