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約20年後・・・・
「俺、楓ちゃんにプロポーズした」
「ブフォッ」
突然の報告に、ゆっくりワインを飲んでいた翔の口からワインが噴き出る。
「父さん、汚いよ。それに、子どものころから楓ちゃんと結婚するって言ってるじゃん」
「ゴホッ、ゴホッ、まさか、ほ、本気だとは思わなくて・・・」
小学校に上がる頃には言わなくなったから、本気だとは思わなかった翔はかなり動揺している。
「今度、松川さんにも挨拶に行こうと思っているんだけど・・・どんなお菓子持っていけばいいと思う?」
それより、自分の身を心配しろ!
松川のところに結婚報告なんてしに行ったら、98%の確率くらいで殴られるぞ!『うちの楓は渡さないですよ』って。
「昔からの顔見知りとはいえ、そこらへんはちゃんとしないといけないから迷ってるんだよね」
「ま、まあ、コーヒーに合うお菓子がいいんじゃないか?」
「じゃあ、洋菓子を持っていくか。父さん、ありがとう」
「・・・・頑張れよ」
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