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「ねえ、翔さん。僕、お兄ちゃんが羨ましい」
文化祭の帰り道、ひなたが少し沈んだ声で話しかけてきた。
「どうして?」
「お兄ちゃんは、人気者で僕と違って友達も多いでしょ?でも、僕は・・・僕は、そうじゃないから」
両性だから、という理由だけで避けられたことも多いひなた。
ここ数年は、両性であると公表している人気アイドルがいるから風当たりが弱くなってきたけど、偏見とか差別は多い。
「俺は、そのままのひなたでいいと思うよ。だって、ひなたは優しくて、そばにいると落ち着くし、見てて目の保養にもなるから」
「・・・翔さん」
「まあ、人気者って結構大変そうだから普通が一番だよ」
文化祭は2人の絆を少し強めて終わったのだった。
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読者の皆様、あけましておめでとうございます。
旧年中は更新を度々休んでいるにも関わらず、ご愛顧いただきありがとうございました。
本年もよろしくお願いいたします。
2020.1.1 クウ
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