僕が嫁になるまで Ⅱ

翔さんの忘れ物

それは、一本の電話から始まった。

『ひなた、悪いが忘れ物を持ってきて欲しい』

「いいですよ。何を忘れたんですか？」

『書斎の机に上に俺のスマホがあると思うんだが・・・』

「ありましたよ。じゃあ、これから家を出るので10時半くらいに着きます」

『助かる。父さんに話を通しているから、父さんの運転手が運転する車で来て欲しい』

お義父さんは現在、長期の海外出張中で運転手の人は休暇をもらっているらしいから申し訳ない。

「わかりました。では、あとで」