ぜんそく

9/9
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
 私は、タクシーの車内で、  「…」  と、押し黙ったままだった…  顔面蒼白な新造さんを隣に見ていて、いかに自分が、我がままで、自分勝手な女だと思い知った感じだった…  …なんて、自分勝手なんだろう…  …新造さんが、こんなに体調が悪いのに、わざわざ出迎えに来させて…  自分の愚かさを呪った…  そんな落ち込んだ、私の表情に気付いたのだろう…  「…高見さんが、悪いわけじゃありませんよ…」  と、突然、新造さんが、呟いた。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!