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『まったく、帰りが遅いと思ったら、こんな所で何しとるんじゃ』
『か、神様!? 何でここに……?』
目の前にうちの神様が立っていた。しかも、その腕には先程の子狸が抱えられている。
『縁側で昼寝しておったら、こいつがやって来てな。自分を助けてくれた人間が、穴に落ちて襲われているから、助けてやってくれと言うのだ』
『そうだったんですね……。ありがとう』
子狸は、はたはたとしっぽを振った。
『Help……Mr.護堂、体が動きマセン……』
西園寺先生が幹に縛り付けられた状態で苦しそうに呻いた。
『神様、あれは一体何ですか? 早く二人を助けないと……』
『ふむ、かなり嫌な気を纏った妖樹のようじゃが……』
『どうすれば、二人を助けられますか? 神様は何か魔法とか使えないんですか?』
『無理じゃの』
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