護堂先生の芋掘り怪綺譚

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 神様はあっさりと言う。 『そんな……!』 『じゃが、音楽を聴くと眠ってしまうという話は聞いた事があるのう……』 『音楽? 音楽といっても、楽器なんて持って……』  そこで、私は昼間の会話を思い出し、振り返って叫んだ。 『西園寺先生! 歌ってください!』 『Why? 何を言っているんです!?』  それは、そう思うだろう。 『さ、西園寺先生の素敵な歌が聴きたいんです! 今ここで! そうしたら、私も先生もきっと元気になって、体も動きますよ!』  我ながら酷い出まかせである。 『そ、……そうかな!?』  西園寺先生が単純な人で良かった。
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