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 ケンキチとサナエが結婚後、ナラ村の領主であるヒカルゲンジが初めて税の取り立てを行う為、護衛兼運搬係の武士たちを乗せた、運転手付きトレーラーでケンキチの御殿にやって来ました。  村人たちのケンキチに対する忠誠心は非常に強いものがありますからナラ村の総収穫高は全村の平均値を遥かに超え、それは毎度のことですからヒカルゲンジは荘園制度で私腹を肥やす貴族の中でも華奢な暮らしをしていまして今回も頗る機嫌よく収穫報告を受けるのでした。  トレーラーに侍者たちが収穫を詰め込んでいる間、ヒカルゲンジは決まってケンキチの御殿の和式の客間で内心気の進まないケンキチと寛ぐのですが、何しろ、このヒカルゲンジ、名代の色男にして色事師、当然、好色で多情ときていて正室2人側室5人持っていまして、いい女に目がありませんから話は自然、縁先から広がる庭の事からサナエの事に焦点が当てられました。
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