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 あんた方だけだろ、それも全人口の0・001パーセントにも満たない・・・とケンキチは思うのでした。 「それに私はねえ、政治家としても非常に情の深い配慮をなさると良い評判を得ていますから、そう目で責めないでくださいよ。」  あんたが情の深い配慮をするのは妻や妾や貴族仲間に対してだけで村人たちにはこれっぽっちも配慮してないじゃないかとケンキチは思うのでした。 「兎に角ね、侍者どもの横領は絶対やめさせますからお見せなさい!」 「はあ・・・」 「何です!私がこんなにお願いしてますのに!もう、よろしい!私が直接、会いに行きます!」  ヒカルゲンジが強硬な態度で腰を上げましたのでケンキチはこれは不味い、機嫌を直さないと横領禁止の件も呑んでくれないと心配になって倉皇として言いました。 「ああ!お待ちください!分かりました!妻をお呼びします!」 「そうですか、よろしい、じゃあ、座りましょう。」
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