カブトムシとカマキリの友情物語

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パサッ、パサッーーーーーー   た、助けてくれーー!!頼む、カブトン!        ーーーー パサッ、パサッーー 8月の暑い季節の早朝だった。オスのカマキリことカマゲンが、カブトムシのカブトンに助けを求めていた。カブトンは太いくぬぎの木に止まり、くぬ木から出ている樹液をなめて食事をしていた。 どうしたんだい?いつも弱いバッタを脅かして喰っているくせに、おまえさんでも怖い奴がいるのかよ? 夏の季節になると昆虫の活動が活発になる。カブトムシの雄は昆虫の世界では体格がよく、背中の甲羅が分厚く6本ある手足も、木の枝に踏ん張りが効いている。肉食ではないが、くぬ木の樹液を飲む時は相手がスズメ蜂だろうが、ノコギリクワガタだろうが、カブトンは、威張っていた。 どうしたんだよ、カマゲン、おまえ今日は随分びびっているな? 相手は誰だよ?話して見なよ、俺でよかったから力になるぜ! カマゲンはカブトンの背中に隠れる ように座り、ヒソヒソとカブトンの耳元で訳を話した。ふす ガブトンは樹液を飲むのをやめて、カマゲンの話を聴いて驚いた顔をしていた。ガブトンとカマゲンは幼なじみで、仲のいい友達だったのだ。子供の頃にカブトンがカマゲンの家に遊びに行くと、いつも決まってカマゲンはヒーロー物のテレビ番組を見ていた。
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