第1話『始業式』

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スピーカーからイシュタムの声が響く。 『〈6つの学校行事〉が決まりましたね。それでは、30日間のゲームを開始します』 そのセリフだけが響いて、静かになった。 「…いきなり、放置状態ですわね」 財前心羽が少し困惑気味に呟いた。 相馬梨紅が、力があふれ出たようなため息をついて頭を掻きながら言う。 「…もうゲームは始まってんだ。始業式をやるか。つか…始業式って何すりゃいいんだ?」 確かに。 私は高校の時の始業式を思い出してみる。 すっごく退屈だった。以上。 「校長の話を聞くとか…ですか?」 と、槇原祐が控え気味に言った。 村椿龍牙も「校歌を歌うとか?」と提案する。 そんな2人に向かって、相馬梨紅は苦笑いした。 「校長はいねーし、校歌も分かんねぇだろ」 「そうですよね…」 「まぁまぁ。適当でいいんだからさぁ、体育館に移動して、適当にみんなで挨拶をして、適当に、ふるさとを歌って終わろうよ」 村椿龍牙がニコニコしながら言った。 なんでふるさと…?と、私だけじゃなくて、みんな思ったに違いない。 「じゃ、じゃあ、体育館の方に移動しましょうか?」 槇原祐が言った。 相馬梨紅が答える。 「そうするか。つか、体育館ってどこだ?どこかに校内図とか設置してねぇかな」 「あ、僕、廊下の壁にあるの見ましたよ。すぐそこです」 その会話で自然と体育館に移動することになって、みんなが教室を出るため出入口に向かう。 カンッ 私の背後で、何かが落ちた音が響いた。 私は振り返って、足元を見た。 折りたたみのナイフが落ちていた。 さっきの音は、これが落ちてきた音だったみたいだけど、私は天井を見て首を傾げる。 天井には穴なんて開いていない…。
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