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齢30。 今まさに変わるときである。
彼には強くなるという願望があり、毎日、棒を振ったり、てぇいと声をあげ、いつの日かくる強さを信じ、日々鍛練していた。
不覚にも、彼がそういう風に考えるようになったのは、親父の死である。
彼は親父をめんどくさい存在だと思っていた。
でも違っていた。
親父はあたたかい人間だったのである。
そして戦っていた。
死ぬ一週間前にも、俺はまだ生きるよと強い目でいった。
その姿を見た時、彼は親父にいった。
[パワー]。
それでも、親父は死んだ。
でも、伝えたいことがあるんだよ。
お前はよくやった。 立派に戦ったよ!
惜しむならば、俺が軽薄じゃなければ、お前は死ななかったか?
お前にパワーで向かい合えば生きていたか?
未来はわからない! でも、パワーで戦って、あたたかさを持つんだと誓った。
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