第三章 隠された存在

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「ねぇ、龍ノ介くんは?」 私が発した言葉で三人の視線は龍ノ介くんに注がれた。 「その取材って裕翔くんと浬くんだけなの? 龍ノ介くんの名前、出ていなかったけど」 「あぁ、龍は受けない」 「どうして?」 「龍はな──シークレットだからだ」 「……は?」 父の言葉に「?」マークが飛び交う。 「龍ちゃんがシークレット! カッコいいなぁー!」 「裕翔、はしゃぎ過ぎ」 裕翔くんと浬くんは相変わらず盛り上がり係と宥める係と関係性がはっきりしていた。 「龍はユニットデビューが決まってから公表するんだ」 「なんで?」 「なんでって……そういう戦略なんだよ」 「戦略…」 いまいち父の考えている事は分からいけれど…… (シークレットねぇ…。隠しキャラ的な事なのかな) 色々考えている私を余所に龍ノ介くんは特に気に留めもせず黙々と食事を続けていた。 (まぁ、積極的に前に出るタイプじゃなさそうだからそういう性格に合わせて売り出そうとしているのかな) なんて、なんだか私まで裕翔くんたちのユニットデビューのあれこれを考えてしまうのだった。
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