第一章 再会

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私の父は若い頃アイドルとして一時期芸能界という場所で活躍していた人だった。 勿論それは私が生まれる前の話で、私が生まれた時にはもうすっかりその世界とは縁のない人になっていたから昔の雑誌やCD、録画されたDVDでそれを知るしかなかった。 そして私の家が周りとはなんだかちょっと違う?──と感じ始めた頃、父や私の周りの環境に関する秘密が明らかになった。 真実を知った時、私は軽く一週間寝込んだ。 その衝撃の秘密とは──…… 「おぉーい、歌也、早く早く」 「~~もう、何なのよ!」 回想くらいゆっくりさせてよ! と憤りながらもドスドスと階段を下りて行く。しかし見えて来た階下の光景に思わず足が止まった。 (えっ) 「ほら、歌也。この子が今度家で世話することになった龍ノ介。歳は18」 「…初めまして、八柳龍ノ介です」 (この人が……やつやなぎ…りゅうのすけ?) 新しく改築した三階建ての我が家に居候する人がいると訊いた時は驚いた。だけどそれは父の長年の野望に織り込み済みの事だったから仕方がなく了承した。 そして居候する人の名前は前もって訊いていたからある程度心の準備が出来ていた筈……なのに…… 「いい男だろう~。歌也、惚れるなよ」 「っ! ほ、惚れないわよ!!」 「……」 父の見え透いたからかいに思わず乗って大きな声で叫んでしまった。そんな私を(くだん)の彼はジッと見つめていた。
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