第一章 再会

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(う゛っ! ま……眩しいっ) 龍ノ介なんて名前だからてっきり硬派なおカタい日本人だと思っていた。なのに今、私の目に前にいるその人はとても純粋な日本人とは思えない程に彫の深いお顔立ちの、まさに外国の王子様張りのイケメンだった!! 「な…なんで龍ノ介…って」 「…え」 「あっ、いえ!」 思わず彼に向かって失礼な事をいいそうになり慌てて口を掌で抑えた。だけど彼はこういう場面に慣れているのか淡々と応えてくれた。 「…俺の父親がロシア人で母親が日本人。父親が日本オタクで俺の名前、なんかのアニメのキャラの名前からつけたって」 「あぁ…」 なるほど、と変に納得しつつもその造形から流暢な日本語が語られる状況が少し不思議だなと思った。 「龍は日本生まれの日本育ちだから姿こそアレだが心は生粋の日本人だから」 「そ、そっか」 父のフォローが入り彼に対してのファーストインパクトは徐々に落ち着いて来た。 そして私への紹介が終わり父と彼が何やら話し始めたのを横目で見ながらそっとため息をついた。 (あ~あ、勿体ないなぁ) 父のお墨付きの男の子ということはなのだろうと思い残念な気持ちでいっぱいになった。
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